【食べる瞑想】マインドフルイーティングの効果とやり方

巷にはいろいろなダイエット法があふれています。一般的に「〇〇ダイエット」と呼ばれる特定の食品を中心に食べるダイエット法から糖質制限ダイエットのような食事内容を変える方法、運動を取り入れた方法など様々です。

ダイエットのためには「摂取エネルギーを減らす」か「消費エネルギーを上げる」かが必要になってくることはご存知だと思います。結論から言うと食事制限と運動のどちらも行うことがダイエットに効果的とされています。

今回はいろいろなダイエット法からひとつおすすめのダイエット法を紹介したいと思います。ずばり「マインドフルイーティング」です。

目次

マインドフルイーティングとは

おそらく「マインドフルイーティング」という言葉を聞いたことのある方は少ないと思います。海外ではマインドフルイーティングのセミナーなども行われているようですが日本ではまだ認知度は低いようです。

これは簡単に説明すると「(テレビを見ながら、スマホをいじりながらの)ながら食べをやめてじっくり時間をかけて味わいながら食べましょう」ということです。これをすることで少量の食事で満足感が得られ過剰な食べすぎを防ぐことができます。

そもそも「マインドフル(mindful)」は「注意深い」、「イーティング(eating)」は「食べる」の意味です。この和訳だけで何を意味しているのか理解するのは厳しいのではないでしょうか。

実はこのマインドフルイーティングは宗教や心理学とかかわりの深い言葉なのです。

「ダイエットの記事を読んでいるのになんでそんな話を・・・」と思われた方はもう少し読み進めてみてください。

ここでもう一つ新しい言葉が出てきます。「マインドフルネス(mindfulness)」という言葉です。これは「今起こっていることをありのまま受け止める」(辞書的な言葉をそのまま書くと混乱を招くので意訳しました)という意味です。

宗教的にはマインドフルネスは瞑想の一種として知られています。また心理学的にはストレスなどの負の感情に対処するための方法として取り入れられています。

つまり、これを食の場面に応用したものがマインドフルイーティングなのです。

話を見失ってきた方もいるかもしれませんので改めて説明します。このマインドフルイーティングを行うことで食べ物と正面から向き合い、じっくり味わって食べることで少量の食事で満足感が得られ、過剰な食べすぎを防ぐことができるのです。

マインドフルイーティングのやり方

では、具体的にマインドフルイーティングにどのように取り組めばいいか解説したいと思います。

  • まずは食べ物の色や形を観察しましょう
  • 手でつかんだ時、お箸やスプーンなどで触った時の感覚(重さやかたさなど)を感じましょう
  • 鼻を近づけて香りを感じましょう
  • 口の中に入れて(まだ嚙まずに)味や食感を味わいましょう
  • ゆっくりと噛みます
  • 飲みこみます

これらの段階全てを通して「今起こっていることをありのまま受け止める」のです。

食事を食べながら「おいしいなぁ」と感じたり、「いつもと比べてまだそんなに食べてないけど結構満足だ→もうこれ以上食べなくてもいいかな」とありのままを受け止めて自分に正直になるのです。

いつもはこんなに注意深く食事をしたことはないと思います。テレビを見ながら、スマホをいじりながら食べていれば食べ物に対して集中できていませんよね。その結果、身体は十分な量の食べ物を食べているのに気持ちの上では「食べ足りない」という感情が芽生えて過剰に食べ続けることになるのです。

マインドフルイーティングでは基本的に(病気やアレルギーの関係で食べられないものがある場合を除き)食べてはいけないものはありません。「多く食べた方がいい食べ物」、「少しだけにとどめておいた方がいい食べ物」があるだけです。

そして、2つの基準をもとに何をどれだけ食べるかを決めていくのです。

1つ目はあなたの経験などから得られた情報です。外部から得られる情報ではなく、あなたしかわからないこと(どの程度お腹が空いているか、まだ食べたいと思っているかなど)です。これがわかるのはあなただけです。他の誰もあなたがどれだけお腹が空いているのかは分かりません。

2つ目は病院などで医師や管理栄養士から聞く健康・食・栄養関連の話、テレビ、ネットなどのメディアからの情報、食品パッケージや外食メニューに記載されている栄養成分表示などです。

これらを総合して今何を食べるのか、食べないのか、食べるとしたら何をどの程度食べるのかあなた自身で考えていただきます。

一般的にマインドフルイーティングについて書かれているネット記事ではマインドフルイーティングそのものについてだけ書かれていることが多いようです。ここで挙げた以外にもチェックリストを作ってどの程度自身をコントロールできているか確認したり、食事とは関係のない場面で瞑想(10~20分ほど呼吸に集中する)したり、ミニ瞑想(1~2分ほど1つの考えや感情などに意識を向ける)という方法もあります。

今回は細かな部分まで書きましたがマインドフルイーティングは「(テレビを見ながら、スマホをいじりながらの)ながら食べをやめてじっくり時間をかけて味わいながら食べましょう」ということです。難しく考えずに一度試してみることをおすすめします。

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この記事を書いた人

田中 稔也のアバター 田中 稔也 管理栄養士

国家資格
管理栄養士・調理師
その他資格
糖尿病療養指導士・食育指導士

経歴
公益社団法人福岡県栄養士会筑後支部 山門分会長 (任期:2007年~2009年)

メディア出演
FMたんとにてラジオ番組放送中79.3MHz (毎週水曜12:27~)

高校卒業後、料理人を志し地元の和食店にて修行。栄養学に興味を持ち始め平岡栄養士専門学校へ入学。調理師、栄養士免許取得後、特別養護老人ホームの調理現場責任者に従事。2年の現場経験の後、独学で管理栄養士国家試験を受験し一発合格。その後、内科専門病院にて病棟担当の管理栄養士として糖尿病を主とした生活習慣病患者の栄養指導を毎月100件以上行い糖尿病療養指導士取得。院内ではNSTチームメンバーとして活動。2006年〜2008年、福岡県筑後地区栄養士会分会長就任。任期満了後、退任。
現在は健康食に特化した配食事業の会社を2010年から経営。地域の皆さまへ「本当に安心・安全な食を提供し、健康で豊かな生活を送るお手伝いをしたい」との想いで日々仕事に励んでいます。
また、これまでの経験を活かし管理栄養士として、食に関連した生活習慣病の改善、美容、ダイエット等の健康情報を発信をしています。 

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